波多康治会計事務所

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Koji Hata Accounting Office

会社の分割 2018.05.01

会社で複数の賃貸用不動産を持っています。会社を二つに分割して、子ども達に分けようと思いますが、税務上はどのように取り扱われるのでしょうか。
会社の分割といった場合、大きく分社型分割と分割型分割という区分があります。前者は、分割法人から事業を引き継いだ分割承継会社がその対価として分割承継会社の株式を分割法人に交付するものです。後者は、分割承継会社の株式を分割法人を経由して分割法人の株主に渡るものです。言い換えれば、前者は、分割法人の株主と分割法人、分割承継法人が垂直的になるのに対して、後者は、同じ株主が分割法人と分割承継法人の両方の株主になります。分社型分割で分割承継会社を新設する新設型分割の場合、分割承継会社は分割会社の100%子会社になります。
税務的には、さらに適格と非適格の区分があります。結果だけ申しますと、適格分割の場合は帳簿価額での資産負債の引継ぎが行われ、非適格の場合は、時価での取引となります。適格の場合は、課税は生じませんが、非適格の場合は、分割法人や株主に課税関係が生じる場合があります。分割法人だけでなく、株主にも分割法人の利益積立金相当額のみなし配当課税や株式譲渡益課税が出る場合があるので注意が必要です。
本件の場合、分社型分割にしろ分割型分割にしろ、課税関係を生じさせないためには、適格要件を満たさなければなりません。適格要件の詳細は省略しますが、かなり厳しい要件があります。会社の保有する不動産を子ども達に分けたいという趣旨は判りますが、会社分割は会社自体をきれいに子ども達に分けることを意味しません。再考を勧める案件です。